手頃な価格で密着性の高いウレタン塗料
ウレタン塗料ではなく、シリコン系塗料やその上のグレードの塗料を選択する人が増えていますが、手頃な価格であることや塗装箇所や外壁材の性質に応じて、あえてウレタン塗料を選ぶケースも多いので、ここではウレタン塗料についてもご紹介していきます。
外壁塗装でウレタン塗料が使われる理由
現在人気のシリコン系塗料が登場するまではウレタン塗料が主役でした。シリコン系塗料が普及し、価格が落ち着いてきたので、ウレタン塗料よりも寿命が長く、耐久性の高いシリコン系塗料を選ぶ方が増えました。
ウレタン塗料は、シリコン系塗料よりも弾性があり柔らかいので、クラックやひび割れが少なくなるというメリットがあります。
外壁塗装以外では、バイクや家具の塗装に使われています。表面に美しいツヤが出て光沢感が出ます。DIYでもスプレータイプのウレタン塗料が使用されています。
家具といえば木製です。木材の表面に薄くて硬い塗膜を作り、ツヤや高級感が出ます。輪ジミが出にくい塗料です。もちろん、見た目のよさ以外にも、ウレタンの塗膜により機能性が向上し、耐水・耐熱性能が高まります。
ウレタン塗料の材料や特徴
ウレタンとは、ウレタン系樹脂のことです。ウレタンという名称は通称で、正式には「ポリウレタン」と呼ばれます。合成ゴムや断熱材の原材料としても使用されています。
現在は、ポリウレタン樹脂塗料の他、アクリル樹脂を用いたポリウレタン樹脂塗料「アクリルウレタン樹脂塗料」が登場しています。ウレタン樹脂は、他の樹脂塗料に比べて、高い弾性を持つ柔らかい樹脂に大きな特徴があります。
柔らかい素材のおかげで、塗膜がしなやかでひび割れに強く、密着度も向上し耐久性があります。ツヤのあるウレタン塗料は、美しい光沢が高級感を出してくれます。
ウレタン塗料は、外壁塗装以外の用途にも幅広く使用されています。例えば、木材や塩化ビニール製品などの部分補修などにも最適です。
ウレタン塗料のよいところ
価格が安い点です。1平米あたり1500~2000円で、塗装面積が広くなるほどグレードの高い塗料との価格差が生まれます。耐久性が要求される屋外の外壁よりも、室内の内装や家具などに使用するケースが多くなっています。
特に高級感のある光沢やツヤなどの仕上りは、家具やフローリングの仕上げにも最適です。ツヤ消し塗装などもマットでおしゃれな仕上りになります。
外壁塗装で使用する場合は、高い弾性やひび割れへの高い追従性がメリットです。柔らかいので伸縮し、ひび割れがしにくく、大きくなりません。モルタルなどひび割れの多い外壁材にも向いています。
また、柔らかく密着度が高いので、塗装後も塗膜の剥がれ症状を防ぎ、雨の浸入などもしっかりと防ぎます。耐薬品性が高く、工場があって煤煙が心配される地域であってもウレタン塗料なら安心です。
低汚染性タイプでない限りは、汚れは目立ちます。
耐用年数は、8~10年程度ですが、塗り替え時期が来ても下地はあまり傷んでいないので、メンテナンスや塗り替え作業が簡単にできるというメリットもあります。
シリコン系塗料に比べると紫外線に弱く、黄色く変色しやすいデメリットがあります。屋外での光沢保持率はシリコン系のほうが高く、ウレタン塗料は、紫外線、温度、湿度、雨水などにの自然環境にさらされると劣化症状が出やすくなっています。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。