屋根のカバー工法(重ね葺き)のメリット・デメリット

2022年06月01日

富士市 富士宮市の外壁塗装

 屋根リフォームの重要なポイントは、葺き替えと重ね葺き(カバー工法)のどちらを選択するべきかという問題です。ここでは、重ね葺きのメリットやデメリットについて整理し、屋根リフォームの選び方の注意点について解説します。


屋根の重ね葺き(カバー工法)について

 屋根は経年劣化し古くなると、屋根材と下地を含めて全面的に交換する葺き替え工事を行う必要があります。しかし、古い屋根を残したままその上に新しい屋根材を施工する、重ね葺き(カバー工法)と呼ばれる工法もあります。

 重ね葺き工法では、古い屋根や古い下地を一部補修することがありますが、ほぼそのままの状態で、ルーフィングなどの防水シートを貼った後、軽量の金属屋根を被せます。

 二重構造の屋根になりますので、新しい屋根材はより軽量の屋根材でなければならず、耐震性の問題から重量のある瓦には重ね葺き工法が使えません。


重ね葺き工法(カバー工法)のメリット・デメリット

・メリット

 最も大きなメリットは、工事費の削減です。既存の屋根の撤去や大量の廃材の処分費用がかからないからです。撤去作業の時間や人件費も節約できて、屋根の葺き替え工事よりも数十万円以上の節約効果が生まれます。工期は2分の1程度に短縮され、遅くても2週間以内に工事が完了します。

 古いスレート屋根には、アスベストが含まれていることがありますが、重ね葺き工法なら屋根を解体する必要がなく、アスベストが飛散しません。騒音や埃なども発生しにくいので、工事も安全に行うことができます。重ね葺き工法なら高額なアスベストの処分費用もゼロです。

 また、二重構造の屋根を施工するだけで、断熱性や防水性、遮音性などが向上します。

・デメリット

 二重構造の屋根は、屋根の重量を増加させます。そのため、重量の重い瓦屋根には対応できず、軽量な金属製の屋根しか選択できなくなるなど、屋根材選びで制限を受けてしまいます。

 また、瓦の屋根は重量だけではなく、厚みもありますので、重ね葺き工法に不向きです。

 雨漏りがひどく、下地材が腐食しているような古い屋根材は、葺き替え工事を行うしかないでしょう。大規模な補修が必要ですし、そのまま施工すると内側から腐食が広がっていき、屋根を葺き替えした意味がなくなるからです。


カバー工法を利用したほうがいいケースとは?

 重ね葺き(カバー工法)は、一つの屋根には一度しか施工できません。二度も重ね葺きはできないということです。

 カバー工法を検討している方は、初めての屋根の葺き替えで屋根材や下地材があまり傷んでいない場合に限り、施工することができるでしょう。工事費用を安く抑えたい方にも重ね葺き工法をおすすめします。

 屋根勾配に適していない屋根材を施工する屋根リフォーム業者もいますが、メーカー指定の適応勾配を守っていないと雨漏りトラブルが発生します。施工費用が安くなるからといって、無理に金属屋根などに重ね葺きさせる屋根リフォーム業者には注意したほうがいいでしょう。

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