計画的に行う大規模修繕工事のポイント
マンションでは当たり前となっている大規模修繕工事ですが、購入前の段階ですでに将来の工事計画が立てられています。一般戸建て住宅でも塗装工事や屋根の葺き替え工事などをまとめて行うことがあります。
大規模修繕工事は、規模が大きく、工期も長いので、事前準備がとても大切です。ここでは、大規模修繕工事で役立つポイントについてお伝えします。
スケジュールや費用について確認
大規模修繕工事では何を行うのかがとても重要です。建物や各箇所の補修箇所、交換箇所などをしっかりと確認し、お住まい全体でかかる費用をもれなくまとめて合算して見積もるといいでしょう。
大規模修繕工事は、15~20年のサイクルで一回行います。メンテナンスが不可欠なお住まいの箇所についてピックアップして調べたり、専門家や施工業者にもよく確認すべきでしょう。
費用に関しては、一度に支払える金額ではないため、少しずつ積み立てていくか、一部リフォームローンを活用するなど、その都度いろいろなパターンで対応できるようにしてください。
修繕箇所のタイミングを知る
大規模修繕工事も一回目と二回目では施工内容が全く異なります。建物を長持ちさせるために、三回目以降の大規模修繕工事が行われることがあります。最初の大規模修繕工事では、外壁や屋上、シーリングのメンテナンスが多く、防水工事は特に丁寧に行われます。
二回目以降は、修繕箇所が増えます。築20年~30年も経過してきますので、給排水管、ガス配管などの交換の他、設備機器の交換機会が増えてくるでしょう。費用もさらにかさんでいきます。
それ以降の大規模修繕工事は、窓ガラスやサッシの交換、玄関ドアの交換なども追加されていきます。屋根や外壁の全葺き替え工事や全交換工事になると、建て替え工事や住宅の売却も検討しなければならなくなるでしょう。
施工できない工事内容や修繕できない箇所もたくさんあります。何をあきらめて、何を残すのかを時間をかけて検討し、正しい決定を行う必要があるでしょう。
近隣トラブルにはご注意を
大規模修繕工事は、準備期間を含めて、施工期間も長期間になります。その間、施主は一時的に仮住まいに転居しますが、近隣住民とのトラブルは避けられません。
事前準備や工事内容についての説明を近隣住民に行い、理解してもらう努力が必要です。また、安全対策・盗難対策やプライバシー保護などについても事前にできることはやっておくようにしてください。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。