サイディングを選ぶときは注意!寒冷地の凍害はなぜ起こる?予防法は?
寒冷地といえば、日本なら北海道や東北地方になるでしょう。それ以外の地域にお住まいでも、冬の時期に極端に気温が下がるような気候条件なら、いつでも「凍害」が起こる可能性があります。外壁塗装では、外壁サイディングの凍害も見逃せない問題です。
窯業系サイディングの凍害に注意
寒冷地は、外壁サイディングの凍害の発生確率が高い地域です。凍害とは、外壁の隙間から雨水が染み込み、凍結と融けて液体になる「融解」を繰り返して、外壁表面がひび割れしたり、ひどくなると剥がれていったりする現象です。凍害は、外壁の劣化症状として捉えることができ、凍害の症状がひどくなってきたら、そろそろサイディングの交換工事を行う時期に来ているとも考えられます。
窯業系サイディング以外では、コンクリートの外壁にも凍害がよく発生することがわかっています。凍害を防ぐには、雨水や紫外線から外壁表面を保護する塗料の塗膜の耐久性が最も重要です。塗料が劣化していると、塗膜が紫外線から外壁表面を保護できなくなり、防水効果も薄まります。外壁サイディングが水分を吸収しやすくなっていると、凍害が起こりやすい状態になっていますので、すぐに何等かの手を打つ必要があるでしょう。
凍害対処法(部分補修)
凍害が発生した箇所は、ひび割れや表面の剥離・剥落、崩落などの劣化現象が見られます。ひび割れ症状が軽度の初期の凍害には、パテなどを使用して、傷を塞ぎ、水漏れを防止する部分補修が行われています。補修箇所が広範囲・複数個所になることも多く、費用は、20~40万円程度かかります。
DIYで修理する方も多いようですが、パテの耐久年数が短いので結果としては、応急処置でしかなく、後日専門業者に部分補修を依頼することが多くなるでしょう。窓、サッシ、目地部の部分補修では、シーリングを打設します。
凍害対処法(塗り替え)
ひび割れや外壁表面の劣化症状がひどくなっている場合は、外壁表面をパテで補修し、下地調整をしっかりと施した後に、新しい塗料を塗ります。外壁の塗り替え工事は、大規模な工事ですが、劣化箇所が多い場合は、必要な工事になります。耐久年数が10年以上あるシリコン塗料を使用すると、費用は80~150万円程度かかります。
凍害対処法(外壁材の張り替え)
新しい外壁材への張り替えは、防水性や耐候性などが新築同様となり、見た目も大変きれいになります。凍害の再発の心配がありませんので、十分な予算がある方にはおすすめできます。凍害は、外壁サイディングの経年劣化が主な原因ですので、劣化が進んだ場合の外壁材の張り替えは、最終手段として考えておく必要があるでしょう。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。