機能性や耐久性が高い油性塗料
臭いや環境のことを考えて水性塗料を選ぶ方が増えていますが、一般的に油性塗料は、機能性や耐久性が水性塗料よりも優れています。
今回は、油性塗料の正しい知識を知り、メリットが多く耐久性の高い油性塗料をどういった基準で選べばよいかについて解説していきます。
油性塗料に含まれている材料
油性塗料は、主に色の元になる顔料、樹脂、硬化剤、添加剤が含まれており、有機溶剤の中に溶け込んでいます。プラスアルファで遮熱、断熱、防汚、抗菌、光触媒、無機などの高い性能を持たせた機能性塗料なども油性塗料の中に分類されていることがあります。
臭いの原因は溶剤の種類
油性塗料と水性塗料の決定的な違いは、溶剤の違いです。油性は有機溶剤、水性は水が溶剤です。
油性塗料の臭いの原因は、有機溶剤が乾燥するときに揮発するときの臭いです。水は無臭に近い臭いですが、シンナーなどを使用している有機溶剤は、強い独特の臭いがします。
仕上りが美しくなる油性塗料
油性塗料は、耐久性や耐候性が高く、仕上りも美しくなります。油性塗料を使うと、一度塗りでも乾燥が早くしっかりと塗料が付着し、ツヤや発色もきれいです。
油性塗料に使われている樹脂は、樹脂同士の結合がしっかりとしており、水よりも密着度が向上し剥がれや色ムラの発生を抑え美しい塗膜に仕上げます。
また、油性塗料の塗膜の自己平滑性の高さにも注目しておきましょう。油性塗料で塗装すると、乾燥するにつれて表面の凹凸がなくなっていき、まっすぐな塗膜になっていきます。水性塗料にはこうした特徴はないので、油性塗料で塗ると、時間が経つほどきれいな塗膜になっていきます。
1液型と2液型
塗料には、1液型と2液型があります。1液型は塗料缶が一つです。塗装時にシンナーで薄めて使用します。2液型は、2種類の塗料缶(主材と硬化剤)があり、塗装する前に混ぜ合わせ、シンナーで薄めて使います。
2液型は、耐久性が高い従来の油性塗料です。混合や撹拌の手間が必要で、時間と共に固まってしまうので6~8時間以内に使ってしまわなければなりません。撹拌前は長期間保管可能ですが、一度使用した後は次第に固まってしまい保管・作り置き不可となります。
油性塗料を使用する場合の注意点
溶剤を使用中は、必ず風通しがよくなるようにしましょう。空気がこもりやすい箇所や屋内では必ず換気を行います。
また、有機溶剤は皮膚からも吸収されます。目や皮膚の保護をする眼鏡や手袋など塗装作業に必要な道具は必ずそろえた上で塗装作業を行いましょう。
また、燃えやすいのでタバコの火や静電気の発生は厳禁です。乾燥時のDIY作業は十分に注意しなければなりません。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。