外壁塗装で寒色系や暖色系の色を効果的に使う
色の心理的影響は、塗装業界・塗装の世界においても大変重視されており、塗装作業が完璧でも色選びを間違うとせっかくの美しい外壁塗装面も失敗に終わり、やり直ししなければならないこともあります。ここでは、寒色系と暖色系の色を効果的に使用するための考え方やいくつかの方法をご紹介します。
調和を重視した外壁塗装色選び
外壁塗装色を選ぶ場合は、好みの色を選ぶと失敗することが多く、必ずお住まいと周囲の町並みや環境にも調和した色選びを行う必要があります。そのため、個性的でこだわりの強い人ほど、色選びには慎重になっていただく必要があるでしょう。自分目線だけで色選びを行うと、周囲とは調和しない違和感のある色と外観イメージになってしまうので特に注意したほうがいいでしょう。
暖色系の色と寒色系の色
暖色系の色と寒色系の色は、よく対比されて登場する色の種類です。暖色系の色を使いすぎると、気分がいら立つことがあります。逆に寒色系の色を使用すると、気分が沈んでしまうことがあります。
・暖色系の色
赤や橙、黄色などは、代表的な暖色系の色です。文字通り暖かさを感じさせる色のことです。また、見る人に太陽をイメージさせてくれたり、ポジティブなイメージを与える色です。
・寒色系の色
青、青緑、青紫の色は、寒色系の色です。爽やかな海の色、冷たい氷をイメージさせる色です。冷たい、寒いというイメージがありますが、ポジティブに言えば見る人に落ち着いた印象を与えられます。また、海底や北極・南極などの寒い地域のイメージを思い浮かべる人もいます。
視覚効果にも注目!
暖色系と寒色系の色は全く正反対の性質を持つ色です。そして、これらの種類の色には、温度差以外にも別の視覚効果があります。それが、進出色と後退色です。暖色系の色が進出色です。暖色系の色を使うと見る人に前に出てくるような印象を与えます。
逆に寒色系の色は、遠くに下がって見えるような印象を与えます。同じ場所で色を巧みに使い分けることにより、目立たせたいときは、暖色系の色を使用し、奥行きを感じさせたい場合は、寒色系の色を使用しています。
時間の流れも自由に変えられる?
色が感覚的な時間の流れを作り出す、ということも知っておいてください。暖色系の色を使った場所では、時間の流れが速くなるように感じられます。寒色系の色を使った場所は、逆に時間がゆっくりと過ぎていくような感じになります。
外壁塗装では、単一の色かツートンカラーを使用することがほとんどですが、時間をイメージさせたい場合は、暖色系なのか、寒色系なのかをはっきりと使い分けると、色づかいだけでイメージのメリハリをつけられるようになっています。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。