サイディングと塗り壁、どちらを選ぶ?
外壁材選びでは、人気があってメンテナンスも手軽なサイディングボードと昔ながらの高級感のある塗り壁のどちらを選ぶべきでしょうか?
それぞれのメリットやデメリットを比較しながら解説していきます。
サイディングと塗り壁のメリットの比較
サイディングで最も実績が多いのが窯業系のサイディングです。セメントやセラミックを使用して板状に加工したのが窯業系サイディングボードです。
大量生産された品質の高いサイディングボードは、初期費用が安く、施工も簡単で未熟な職人であっても失敗することがありません。外壁材の色やパターンなども豊富にありますので、どのサイディングを選んだとしても周辺のお住まいの外壁材と被ることが少なくなってきています。
塗り壁は、土などを素材にし、熟練の左官職人が丁寧に仕上げていく外壁材の伝統的な工法です。
漆喰などを使用し、高級感も演出することができ、他にはないオリジナルデザインを希望されるなら、塗り壁が一番いいでしょう。仕上りは、職人の腕により異なり、個性的なデザインを希望するなら、外壁材業者や左官職人を厳選しなければなりません。自然素材を使った塗り壁が多いので、環境にも優しいというメリットがあります。
サイディングと塗り壁のデメリットの比較
サイディングの寿命を考える前に目地のコーキングの劣化には要注意です。点検は1年や5年ごとに行い、10年で再塗装や補修などの大規模なメンテナンスを行う必要があります。
初期費用は安くなりますが、再塗装や補修のメンテナンスを繰り返すと、1回ごとに100万円以上の費用がかかります。
ランニングコストのこともよく考えて、寿命の長い種類の外壁材を選ぶ必要があるでしょう。
古くなるとサイディングは高級感がないので他の外壁材と比べると見劣りするようになるのがデメリットです。
塗り壁は、左官職人の腕がよくない場合や趣味や感性が異なる場合はやり直しが難しく、違和感を感じることがあります。
繊細なデザインは、汚れが目立ちますし、クラックが生じやすいデメリットもあります。
メンテナンスを怠れば、耐久性が低下しますので、施工後のメンテナンスコストが高額です。
どちらを選ぶ?選び方のコツ
予算が限られている場合は、サイディングボードを選択することになるでしょう。
しかし、時間がたつほど、将来のメンテナンスコストはそれなりに必要となっていきます。
いろいろなデザインや色の中から選ぶ場合は、カタログと実物との違和感が少ないサイディングボードのほうがいいかもしれません。
こだわりの外壁材や本物の質感や高級感を求めるなら塗り壁がおすすめですう。
熟練の左官職人に施工を依頼するので、工事費用も高くなります。長期的に住む場合は、メンテナンスにも力を入れる必要がありますので、施工後のメンテナンスコストも頭の中に入れながら、塗り壁を検討するようにしてください。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。