塗装前の下地処理、ケレンとは?

ケレンは、とても重要な下地処理での作業工程です。塗装前には必ず実施されます。ケレンをやっているかやっていないかで、塗膜の寿命が大きく変わってしまうからです。
正しいケレン作業を実施すれば、塗膜の耐久性も大幅にアップしますが、間違ったやり方をすると逆効果になることもあります。
ここでは、ケレンについての一般の方が知るべき基本知識を学んでおきましょう。
ケレンはなぜ行う必要がある?
ケレンは、きれいにする「クリーン」が元になってできた言葉だと言われています。
鉄部の錆び落としを中心に行う下地処理です。「素地調整」や「素地ごしらえ」などと呼ぶ方も多いようです。
ケレンでは、塗膜についた錆びや汚れなどをしっかりと削り落とします。錆びの他にも黒皮と呼ばれる黒い色をした酸化物、塩分、粉塵などの細かい汚れも丁寧に落とし、塗料が塗布面にしっかりと密着しやすいように調整します。
また、わずかな傷をつけて表面積を広げて、塗装面の塗膜が剥がれにくくなるようにしています。
これは「アンカー効果」と呼ばれ、塗装面の微細な凹凸に塗料を浸透させ、定着させることで、塗膜が剥がれにくくなり、長期間塗膜の耐久性を保持します。
ツルツルの表面では、塗料がうまくくっつかないことがあるので、付着性を高めるためにもケレン作業はとても重要だということがよくわかります。
高圧洗浄の後に行われるケレン
ケレンは1種~4種まであります。
1種ケレンは、大規模建築物や橋梁で実施されており、酸洗浄や剥離剤を使った下地処理です。金属粉を使ったブラスト処理などもありますが、1種ケレンは一般の戸建て住宅では実施されていません。
2種ケレンでは、サンダー、ドライバーなどの電動工具を使って、ワイヤーブラシ、ワイヤカップ、ディスクなどを差し替えて錆び落としを行う方法です。金属屋根でよく使われているケレン作業です。施工単価は、1平米あたり1500~2000円です。
3種ケレンは、手作業が中心の軽度の錆びや塗料落としです。電動工具を使うことがありますが、多くはワイヤーブラシやスクレーパーなどの手作業で使う道具を使った錆び落としです。施工単価は、1平米あたり600~1000円です。
4種ケレンは、サンドペーパーで錆びを削ったり、表面を清掃したりする下地処理です。手作業でアンカー効果を目指した目荒しを行います。
施工単価は、1平米あたり300~400円です。
ケレンを手抜きされないように
ケレンは、塗装前の下地処理であり、作業がわかりにくいことから、チェックしにくい場合があります。
見積書の作業内容や施工単価などをよく確認し、どういったケレン作業が行われるのかをよく確認してください。1~4種までのケレンの作業内容が具体的になっていたら、ある程度信頼できるでしょう。
古い塗膜がついたままであったり、目荒しができていなかったりすると、塗装直後に問題はなくても、数か月~1年程度で塗膜が剥がれてくるようなら、下地処理で何かの手抜きや問題があったと考えられることがあります。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。