シリコンよりもラジカル塗料をおすすめする理由
2012年より本格的に登場したラジカル塗料は、次世代塗料として注目されており、日本ペイント以外の大手塗料メーカーも参入しています。
まだ新しいラジカル塗料ですが、少しずつ施工実績も増えています。シリコン塗料よりも耐久性が高いということから、これからはシリコンよりもラジカルを選ぶケースが増えるのではないかと予想されています。
ラジカル塗料とは?
ラジカル塗料は、ラジカルの発生を制御する塗料のことです。そのため、シリコンやフッ素などの異なるグレードの樹脂にもラジカル塗料は存在します。
ラジカルは、塗料に含まれている顔料が、酸素や水、紫外線などと混ざると発生する劣化因子です。簡単にいえば、ラジカルが発生して塗膜が劣化すると考えてください。ラジカル塗料は、経年劣化の原因となるラジカルの発生を制御できる塗料のことです。
ラジカルを制御できる成分
ラジカルを制御する塗料の成分は、高耐候酸化チタンや光安定剤です。高耐候酸化チタンは、ラジカルが発生しても外へ放出できないようにし、塗膜の劣化現象を防ぎます。
光安定剤は、発生したラジカルを捉えて、ラジカルの活動を制御し、抑えてくれます。
主にこの二種類の成分の活動により、ラジカルが発生しにくくなっているだけではなく、ラジカルが発生したとしても、その活動を抑えて塗膜の耐久年数を延ばす高い効果があります。
ラジカル塗料とシリコン塗料の違い
価格や耐用年数ではそれほど差がありません。
1平米あたりの単価も2900~3500円です。ラジカル塗料の耐用年数は10~13年ですが、シリコン塗料は10~12年となっており、それほどの差が出ないので耐久性は同等であると考えられます。
ラジカル塗料は、水性塗料です。シリコンは、油性と水性の両方のタイプがあります。ラジカル塗料は、油性塗料のタイプがなく、塗りやすいという評判があります。
シリコン塗料に限らず、水性塗料よりも油性タイプ(溶剤2液型)のほうが性能がよいとされていますが、ラジカル塗料は、油性のシリコン塗料を上回る性能があると考えることができます。
塗装実績のあるラジカル塗料を選ぶ
シリコン塗料よりも新しく登場したラジカル塗料のほうが性能がよいということであれば、迷わずに高い性能を持つラジカル塗料を選ぶべきでしょう。
塗料の種類や施工実績が少ないので、最も施工実績の多い日本ペイントの「パーフェクトトップ」と呼ばれるラジカル塗料がおすすめです。
他には、エスケー化研の「プレミアムシリコン」、関西ペイントの「アレスダイナミックトップ」が大手塗料メーカーから発売されています。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。