外壁塗装のクラック(ひび割れ)の原因とは?
塗装された外壁が古くなるとクラック(ひび割れ)現象がよく見られるようになります。クラックを発見したら放置せずに、外壁の補修や再塗装を検討しなければなりません。
どうしても起きてしまう外壁のクラック(ひび割れ)
外壁のクラック(ひび割れ)は、どんな外壁にも発生する困った外壁のトラブルです。外壁塗装をしている場合は、経年劣化により古くなると必ず発生する外壁や塗装のトラブルです。
その他に考えられる原因としては、天候によるものや地震・突風などの自然災害です。また、まれに施工不良によりクラックが発生することがあります。
クラックは2種類
クラックは、塗膜に発生する被害の小さな「ヘアクラック」と外壁材にまで被害が及んでいる大きな「構造クラック」にわけることができます。
塗膜に起きるヘアクラック
髪の毛のように細くて短いヘアクラックは、主に塗膜にできる被害の小さなクラックのことです。塗膜の経年劣化によるヘアクラックの発生は避けられません。白い粉が出るチョーキング現象が見られたら、新しい塗料で塗り替える必要があるでしょう。
他に、施工不良による原因が考えられます。三度塗りを守っていない場合、十分な乾燥時間を取っていない場合は、施工不良によるクラックが発生しやすくなります。下塗り塗料と上塗り塗料の組み合わせを間違えた場合も塗膜にクラックが生じやすくなります。
例えば、弾性の高い塗膜の上に硬質塗膜による塗装を実施した場合です。上塗り塗料が硬質塗膜ですと、下地の動きに追従できないことからクラックが生じやすくなります。
外壁材にまで被害が及ぶ構造クラック
放置すると、深刻な被害が広がっていくのが構造クラックです。構造クラックの原因は、塗膜とは関係なく、建物の構造的欠陥、不同沈下、大地震に耐えられず外壁材にひび割れをもたらす場合などです。構造クラックを補修するには、建物の構造補強やシーリング材充填による部分補修などが必要です。
構造クラックは、傷が深いクラックです。傷を削って調整し、クラックが目立たないようにして補修する必要があり、目地切りカッターなどを使ってV字やU字にカットして、シーリング材を充填しています。
構造クラックは、外側からでは被害の大きさを判断することはできません。必ず専門業者による点検が必要です。専門家の判断を聞いたうえで補修すべき内容を検討し、早めの補修を行う必要があるでしょう。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。