外壁サイディングなら起こりやすいシーリングの劣化
外壁材にサイディングボードを選んだ場合は、外壁材は丈夫で耐久性があったとしても、外壁サイディングの継ぎ目に埋められているシーリング(コーキング)の劣化には注意しなければなりません。外壁サイディングに使われているシーリングはどうして劣化しやすいのでしょうか?
外壁材よりも耐久性が低いシーリング
シーリング材は、柔軟性があり、合成樹脂や合成ゴムなどでできています。外壁材と外壁材の継ぎ目に使用すると、柔軟性を確保し地震にも強くなり、雨や風からの外壁の被害を防ぐことができます。しかし、シーリング材は、合成樹脂であることから、外壁材よりも耐久性が低くなっています。
経年劣化が早く進みます。お住まいの自然環境が厳しいと、シーリング材は雨風や温度差により硬化し、ひび割れや剥がれへの劣化症状へと発展していきます。シーリング材は、最後には剥がれ落ちてしまうので、再充填などの補修工事が必要です。
また、シーリング材は経年劣化により、「やせ」の症状が見られます。目視で確認できることがありますので、シーリングがやせて隙間ができていたら、補修工事が必要となるでしょう。
シーリングの劣化には早めに対処すること
シーリングは経年劣化により、硬化し、ひび割れや剥がれ症状がみられるようになります。シーリングの劣化により、防水性が低くなり、剥がれた箇所や隙間から雨水が浸入し、雨漏りの主要な原因となってしまいます。建物内を保護し、木材の腐食を防ぐためにも、シーリングの補修が必要となるでしょう。
シーリング補修は「増し打ち」と「打ち替え」
シーリングの補修では、既存のシーリングの上からさらに新しいシーリング材を充填する「増し打ち」や既存のシーリング材を撤去して新しいシーリングを充填する「打ち替え」工事が行われています。
シーリング材の寿命は、5~10年です。シーリング材の劣化症状を見ながら、増し打ちがいいか、打ち替えがいいか、どちらがいいかの判断は、修理業者と相談しながら決定するようにしましょう。
補修箇所によっても増し打ちや打ち替えは使い分けられていますので、ご自身の判断で補修せずに、専門業者にシーリング補修を任せたほうがいいでしょう。
また、シーリング材の経年劣化は避けられません。劣化症状を早めないためにも、定期的な清掃により、シーリング材付近のゴミをしっかりと取り除くようにしましょう。清掃作業は、固く絞った雑巾で丁寧に拭き取る作業でOKです。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。