外壁塗装の見積書の重要な確認事項とは?
外壁塗装工事では、複数の塗装業者に相見積りを依頼することは普通です。しかし、たくさんの塗装業者に見積りを依頼しても、見積書の読み方や判断方法がわからなければ、工事の値段だけを比較して終わってしまいます。
そのような失敗をしないように、重要な確認事項についてよく確認し、判断するようにしましょう。
塗装工程と3度塗りを確認
屋根でも外壁でも、塗装工事の基本的な工程は、3度塗りです。具体的には、下塗り、中塗り、上塗りの3度塗りです。特に下塗りは最も重要で、上塗り塗料の密着性を高めるために、塗装面と上塗り塗料に合った適切な下塗り剤選びが重要ポイントです。
各工程での塗料選びや3度塗りの工程を守っていないと、塗料の塗膜が剥がれてきたり、耐久性が落ちてきたりします。実際には、3度塗りでも乾燥時間も重要ですので、作業期間もしっかりとチェックしておきましょう。
塗料選び、色選び
塗料選びや色選びは、塗装工事では最も重要な項目です。塗料選びでは、塗料のグレード、耐久年数、価格に応じた種類を適切に選ぶ必要があります。コスパに優れた塗料といえば、シリコン系塗料ですが、耐久年数や価格を考慮してあえてグレードの低いウレタン塗料を選ぶことがあります。
また、機能性の高い塗料としては、無機塗料や光触媒塗料、遮熱・断熱塗料などがあります。耐久性が上がり、付加機能が増えると、塗料の価格も高くなっていきます。塗料のグレード選びはライフスタイルや将来のメンテナンス時期に合わせて選びます。
色選びも素人さんには難しく、お住まいの周辺環境との調和をよく検討し、さまざまなカラーシミュレーションを行ったうえで、現地で試し塗りをするなど、総合的に判断して色選びを行いましょう。
見積書の重要項目を押さえる
見積書には、細かい項目や数字がたくさん並んでいますが、重要項目を押さえることで、見るべきポイントを絞ることができます。多くは、足場、養生、洗浄、外壁・屋根(下地調整含む)、コーキング処理(サイディング)です。
使用する道具や材料の具体的な名称、面積、単価などを押さえるようにしてください。他社とも比較できるぐらいの詳細がわかれば問題ありません。
下地処理とケレン
下地処理(下地調整)に関しては、具体的な内容がはっきりしているのかどうかがポイントです。クラック補修の場合ならその工法、補修一か所の費用の目安、錆び落としであるケレンの種類や単価など、どんな工具を使い、どんな材料を使って、どんな作業をする予定なのかをよく確認してください。
塗装面積と塗装箇所の確認
塗装面積の計算は、各塗装業者により少しずつ異なる場合があります。
ご自身でも計算する場合は、
外壁面積=延床面積(坪)×3.3×1.2
で計算できます。
面積の計算では、それぞれの項目ごとに計算基準が異なることが多いので、外壁面積以外もそれぞれの計算となる基準を調べて、ご自身でも目安となる面積をよく確認するべきでしょう。
また、全ての箇所を塗装するわけではありません。外壁面と付帯部の塗装は異なります。塗装してほしい箇所があれば、事前に確認しなければなりません。屋根や外壁面の塗装箇所と塗装しない箇所をはっきりと区別し、見積書でも確認できるようにしておきましょう。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。