トラブルも多い光触媒塗料のデメリット
光触媒塗料は、シリコン系やフッ素系塗料よりも高いグレードの高機能塗料です。
メリットとしてセルフクリーニング機能や空気清浄機能などが付加されていますが、デメリットやよくあるトラブルについてもきちんと理解したうえで、光触媒塗料を選択するようにしてください。
今も注目度の高い光触媒塗料の特徴
光触媒塗料といえば、TOTOのハイドロテクトコートが有名ですが、訪問販売でもおすすめする業者が多かったので知っている方も多いのではないかと思います。
ハイドロテクトコートは、光触媒塗料でのシェアトップでしたが、2017年に生産や販売が終了しており、他社製品を使うようになっています。
光触媒塗料の特徴といえば、汚れを浮かせて雨で流して清浄する「セルフクリーニング機能」や二酸化炭素などの窒素酸化物を除去できる「空気清浄効果」などが有名です。
他にも「遮熱機能」が付加されている塗料も存在し、太陽光をしっかり反射し、室内の蓄熱を抑制できる効果があります。
光触媒塗料は、こうしたさまざまな高性能の機能を詰め込んでいるため、値段が高価であることや思ったほど光触媒塗料の効果が出ていないなどのトラブルが意外に多いことがわかっています。
光触媒塗料のデメリット
塗装業者があまり言わない光触媒塗料のデメリットについても学んでおきましょう。塗料の単価は、シリコン系塗料の2倍もします。光触媒塗料の1平米あたり単価は、4200~5000円です。ただし、寿命が20年以上ある光触媒塗料なら、コスパも十分に見合います。
配合されている光触媒の酸化チタンは白色顔料です。白に近い色が最も性能がよく、濃い色はNGです。ツヤの種類も限られています。日中太陽が当たらない場所では、光触媒のセルフクリーニング効果が出なくなります。雨が当たらない場所も汚れを洗い流すことができないので、光触媒の機能や効果が十分に発揮できません。
セルフクリーニング機能は、全ての汚れに対応できていません。分解できない汚れとは、例えば、黄砂、火山灰、錆びの他、鳥の糞、樹液なども自然だけでは完全に分解できずに、汚れが残ってしまいます。
光触媒塗料の塗装作業は、認定施工店しかできないため、塗装できる業者が限られています。その理由は、通常の塗料とは異なる塗装方法だからです。塗装工程も3度塗りではなく、4度塗りになっており、上塗りに光触媒コーティングを必要とし、工期が長くなってしまいます。
取り扱い塗料が少ない
シェアトップのTOTOのハイドロテクトコートが販売終了となり、取り扱う塗装業者もおすすめの光触媒塗料も限られています。トラブル発生件数も多かったので、仕方のない措置でしょう。
現在では、株式会社ピアレックステクノロジーズが、「ピュアコートANプラス」という光触媒塗料を販売しています。光触媒塗料は外壁用はありますが、屋根用はラインナップされていません。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。