木造住宅の外壁は通気工法がおすすめ!直貼り工法との違いなど
木造住宅の外壁を施工する場合、現在では通気工法で施工されることがほとんどですが、過去には、直貼り工法で施工されていた木造家屋も多かったようです。
今回は、木造家屋で通気工法が主流となった理由と直貼り工法との違いについて解説していきます。
通気層を設ける通気工法
外壁の通気工法と直貼り工法との大きな違いは、通気層を設けるか直接貼り付けるかという点になります。
もちろん、通気層があったほうが湿気を屋外に排出しやすく、結露を予防でき、木造家屋を最適な状態に保つことができます。通気層があると、透湿性が生じ屋内の環境がよくなり常に快適に過ごせます。
しかし、外壁材の場合は、気密性や断熱性の問題も併せて考える必要がありますので、素材によっては、直貼り工法が選ばれることがあります。
通気工法について
通気工法は、通気層の仕組みが簡単で施工も容易になっています。
結露の発生や湿気が溜まるのを防ぐことができ、雨漏り時の雨水の浸入にもしっかりと対応でき、うまく排水できるようになっています。通気層には防水紙が使用されていますので、強い雨風による一時的な雨水の浸入があったとしても予防できるようになっています。
また、結露や凍害の起こりやすい地域に建てられた木造住宅ほど、通気層のある通気工法を選んだほうがいいでしょう。通気工法では、断熱性が問題となります。
通気工法だけでは気密性が十分ではないので、通気層のない箇所で結露が発生しやすくなるというデメリットがあります。
そうした意味で、同時に断熱工事を確実に行うことが通気工法を採用する際の条件になるといってもいいでしょう。同時施工を行うので、余分な部材や追加工事が必要となります。
通気工法が多い理由
2000年以降は品確法の標準工法が外壁通気工法になっています。
サイディングの場合は、透湿性を確保するために通気層を設けることが前提です。通気層を設けないと瑕疵担保保険に加入できない場合がありますので、通気工法を前提とした外壁工法が採用されることが多くなっています。
気密性の高い木造住宅ほど、断熱と排水については特に注意すべき点です。
過去に直貼り工法で施工されたサイディングの場合は、外壁のリフォームでは通気工法が採用されることが多くなります。断熱施工も併せて実施されますので、全般的に施工コストも上がります。
工期や予算については、施工業者ともしっかりと打ち合わせを行い、外壁リフォームについて最も適切な施工法を選ぶようにしてください。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。