塗装の仕上がりは下地処理が重要!【高圧洗浄】
塗装前には、いろいろな下地処理が行われています。地味な作業ですが、後になって塗膜の剥がれ現象が出やすくなるので、丁寧に処理する必要があります。
高圧洗浄作業の目的
高圧洗浄は、塗装前の下地処理でも最も重要な作業の一つです。高圧洗浄では、屋根や外壁表面についた汚れや付着物を洗い流すことが主な目的です。そして、古い塗膜をしっかりと取り除いて、後に残らないようにします。
劣化症状であるチョーキング現象が見られる塗膜は、粉状の劣化した塗料がたくさん残っていますので、きちんと取り除いていないと塗装後の塗膜剥離現象が必ず出てしまいます。
使用する高圧洗浄機の水圧
塗装で使用する高圧洗浄機には、業務用と家庭用があります。家庭用の高圧洗浄機は、水圧も抑えられており、業務用よりも作業に時間がかかります。業務用の高圧洗浄機は、一日単位でのレンタルやリースも可能です。洗浄時には、100kgf/cm2~の水圧が必要ですが、業務用は、150~200kgf/cm2の高圧力の高圧洗浄機が多く、高い水圧のほうが汚れや塗膜などの付着物を強力に洗い落とすことができます。
高圧洗浄作業の流れ
塗装時の高圧洗浄作業は、外壁以外にも塗装を行う場合は、屋根→外壁→外構の順番に洗浄作業を進めていきます。シャッターボックスの上部や土間など、普段はなかなか洗浄できない箇所も、高圧洗浄機を使うと短時間で簡単に汚れを洗い落とすことができます。洗浄前と洗浄後の見た目の差が大きく、洗浄後は屋根や外壁の表面がとてもきれいになります。
屋根と外壁の一般的な洗浄作業では、7~8時間程度の作業時間がかかります。
そして、水を使った高圧洗浄作業の後は、しっかりと乾燥時間を取る必要があります。乾燥時間は、1日、2日間も取る必要があり、塗装作業と同じように、高圧洗浄作業でも乾燥時間をしっかりと確保し、丁寧な作業を行う必要があります。
高圧洗浄機で落ちない汚れ
高圧洗浄機を使っても落ちないしつこい汚れがあります。その場合は、手作業になりますが、薬剤を使ってこそげ落とします。業務用の高圧洗浄機は、家庭用よりも圧力が高いので、逆に外壁を傷つけてしまったり、ダメージを与えてしまったりすることがあります。高圧洗浄機で汚れが落ちない場合は、無理をしないで手作業で、カビ、苔、しつこい汚れや錆びなどを丁寧に落としていきます。
高圧洗浄作業の費用相場
高圧洗浄作業は、見積書では、1平米あたり200~300円が費用の相場です。一般的な住宅では、1軒全体で2万~4万5千円程度です。高圧洗浄では、普段洗浄できないような箇所も一緒に洗浄してもらいましょう。洗浄作業に必要な水は、ご家庭の水道を使います。大量の水を使用しますが、水道代は高くても数千円でおさまります。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。